インプラント

インプラント治療は、全身と口腔内の状態が良好であれば、年齢に関わらず誰でも受けることができます。高齢者の方でも、条件が満たされれば安全に治療を受けることが可能ですが、手術に耐えられる体力があるかどうかは事前に充分に考慮させていただきます。
全身的な問題として、重度の糖尿病、肝臓疾患、心臓疾患、血液疾患、骨粗しょう症などで治療薬を服用している場合は注意が必要です。また、薬物やアルコール中毒の方、ヘビースモーカーの方も治療結果に影響が出る可能性があります。
口腔内の状態としては、歯周病が進行している方、顎の骨が極端に少ない方、歯ぎしりが強い方、噛み合わせに問題がある方などは、事前の治療が必要となる場合があります。

手術中は麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。ただし、振動や響くような感覚が残ることはあります。手術後、麻酔が切れると多少の痛みや腫れが出ることがありますが、痛み止めで対応できる程度です。

現在使用されているインプラントのほとんどはチタン製で、金属アレルギーを起こしにくい素材です。しかし、心配な方は事前に金属アレルギー検査を受けることをおすすめします。

骨が薄い場合でも、骨を再生させる治療法があります。上顎洞と呼ばれる空洞が下方に拡大し、上顎の骨が薄くなっている場合には、ソケットリフトやサイナスリフトなどの骨造成治療を行うことで、インプラントに必要な骨の厚みを確保できます。

治療期間は、インプラントを埋め込む部分の状態や口腔内の状況によって異なりますが、早ければ3ヶ月程度で歯が入ります。インプラントは人工臓器であり、骨としっかり結合することが重要です。そのため、治療期間を短縮することよりも、安全性を重視しています。

インプラントの寿命は、口腔ケアやメンテナンスの状態、インプラントの長さや形態、骨量、噛み合わせなどによって異なりますが、20年生存率は95%の残存率があります。これは他の修復処置と比較して圧倒的にいい成績です。

インプラントは、被せ物、アバットメント、インプラント体から構成されています。被せ物やアバットメントが壊れた場合は、作り直しが可能です。
しかし、インプラント周囲炎が起こると、歯周病のように炎症が広がり、インプラントがグラつくことがあります。重症化した場合は再手術が必要になることもあります。定期的なメンテナンスで炎症をコントロールすることが大切です。

手術直後は、インプラントに負担をかけないように注意が必要です。手術部位と反対側の歯で噛む、柔らかいものを食べるなど、食事にも配慮してください。激しい運動は避け、安静に過ごしましょう。

歯ぎしりが強いと、インプラントが破損する可能性があります。ナイトガードなどの対策が必要となる場合があります。

差し歯は、歯の根っこが残っている場合に、そこに土台を被せて人工歯を取り付けるものです。インプラントは、歯の根っこがない場合に、顎の骨にインプラント体を埋め込んで人工歯を作ります。入れ歯は、取り外し式のバネ付きの人工歯です。

インプラント治療は保険適用外のため、自費診療となります。費用は、インプラントの種類や本数、治療内容によって異なります。当クリニックでは、1本40万円～となります。